導入事例|住友電装株式会社様|エンゲージメント・サーベイの実践的活用法
24.05.2190%以上の参加者が、意識変容を実感。魅力は、実践知を伴った専門家のファシリテーション力。
住友電装株式会社
川瀬 雅生 氏(鈴鹿製作所 所長・入社37年目 )
古川 駿 氏(鈴鹿製作所 総務人事グループ ・入社10年目・元コネクタ事業本部担当)
竹田 駿悟 氏(鈴鹿製作所 総務人事グループ ・入社4年目・現コネクタ事業本部担当)
1917年に電線製造会社として創業した住友電装株式会社。自動車用ワイヤーハーネスのリーディングカンパニーとして、世界で躍動するグローバル企業です。住友電装株式会社 鈴鹿製作所にて「エンゲージメント・サーベイを実施後、それをどう活用すべきか」について一緒に取り組む機会を頂きました。ワークショップ実施後の忌憚のない感想をインタビューさせて頂きました。
事業内容|自動車用・機器用ワイヤーハーネスの製造販売・ワイヤーハーネス用・電気機器用部品の製造販売・自動車用電線の製造販売
企業規模|7,141名 (2024年3月31日現在)
▼導入サービス
エンゲージメント・サーベイ結果を活用することを目的としたワークショップ(全4回)
対象者:部長職
外部業者に組織開発をご依頼しようと思ったきっかけは?
ーー 以前より御社ではエンゲージメント・サーベイを実施し、2022年度より組織開発を開始されていたとお伺いしています。そのような中、このたび株式会社セルム社と弊社にご依頼を頂くことになりました。その背景についてお聞かせください。
古川氏:組織開発は、2022年度に自社で行えることを実施しました。しかし、課題を発見しているものの「解決に向けどれから着手すれば良いのだろう」と判断がつかなくなってしまいました。その結果至ったのが、部長層だけに行うのではなく、たくさんの階層にアプローチしないといけないという考えでした。
そうなると、大がかりな改善活動が必要だと感じ、組織開発に関することを調べたり、勉強してみたりしました。ですが、調べたり勉強したりすればするほど、策が無数にあることを知り、より分からなくなってしまいました。それでも「自分たちで何とかしよう」と思って色々と試みようとしたのですが「自分だけでは限界がある」ことを実感しました。そのようなことがあり、「一度、専門家に相談した方が良い」という方針になり、このたび依頼しました。
エンゲージメントスコア向上は目的や目標ではなく業務改善の“副産物”
ーー 今回の組織開発では「エンゲージメント・サーベイの調査結果をどう活用するのか」について、サポートさせて頂きました。実際に進めてみて、どのようにお感じになったかお聞かせください。
川瀬氏:今回のワークショップを通じて「目標のあり方」を考えるきっかけになりました。この組織開発を通じて「エンゲージメント・サーベイの結果を目標値にするとあまり良くない」と繰り返し聞きました。それは、本当にその通りだなと思います。我々、総務人事の人間が集まって中長期の目標や数値目標を議論すると、やはりエンゲージメントスコアの向上は非常に重要なものになってきます。ただし、そのスコアの向上を目標にはせず「結果的な指標としてモニターしていこう」と捉えることが重要だと思います。
また、1年といった短期スパンでスコアの良し悪しを見るのではなく、「業務改善・マネジメント改善といった取り組みをしていく中で、エンゲージメントのスコアが上がっていく」というのが理想です。つまり「エンゲージメントのスコアは、結果的に上がれば良いかな」ということをよく理解しました。
心を掴むファシリテート
ーー 実際のワークショップをご覧になった率直な感想をお聞かせください。
川瀬氏:実際にワークショップを企画運営した結果、特徴的だったのは、ワークショップへの出席率が非常に高かったことです。専門家である講師の方の語り口が上手で「聞いていて楽しい」「プロが喋っているので引き込まれる」というのが、出席率が上がる要因の一つだと思います。そういう面からも、外部講師に依頼して本当に良かったです。
古川氏:そうですね、外部講師の方にお越し頂いて、最初、いきなりスクワットから始まって(笑)「何が始まったのだ?」みたいな感じでした。ですが、2回、3回、4回とワークショップの回数を重ねるたびに、皆さんの目つきも変わってきました。そのようなこともあり、取り組みに少し遅れが生じていた人も、それを取り返そうとする姿勢が見られました。
竹田氏:スクワットは衝撃でした(笑)でも、アンケートでも最も満足した要素は、講師の力量っていったところが一番多かったです。
現場での経験豊富な専門家だからこその理解度と納得感
川瀬氏:もう一つ感じるのは、やはり私たちが話すよりも、外部の専門家の人が言っていることの方が、参加者の心には響くことでした。特に部長クラスだとそれが顕著です。心に響くと、素直に聞いてくれますから、そこはとても大きいと思います。我々の中途半端な知識よりも「あの専門家が言っている」というほうが説得力は高いです。これは、とても大きいと思います。
古川氏:私たちができるのは、社内で起こっていることに対して「もう少しこういう風にしたほうがいいですよね」ということを伝えることだと思います。しかし、そこを伝えるにあたり、どうしても具体性に欠けてしまったり、「本当にそうなのか」などの裏づけがどうしても補いきれなかったりしたところがあったのではないかと感じています。
竹田氏:そうですね、やはり実績を踏まえた話をされているのを、参加者は感じていたと思います。想定ではなく、様々な現場を見てきたからこそ言える話が、とても心に響いているのだと思います。特に、他の企業の事例を出しながら、「このような状態から、このような状態に良くなっていった」と紹介されていた部分は、納得感がありました。
古川氏:確かにそうですね。例えば、基本的な考え方としてクルト・レヴィンのモデルをご紹介頂きましたが、そのモデルを活用した組織変革の実践の話も良かったです。組織変革の実践は「簡単なことではない」「数年かかる」「細かな変化に着目することが大切」などと、理論と実践経験によって裏付けされた内容をお話頂きました。これにより参加者の納得感が更に高まったのではないかと思います。
理論と実践の併用。実効性のある内容に満足
ーー 理論や理屈に偏ってしまうと、参加者の方々からも現実と理想の間で乖離が起きてしまい「理屈は分かるけど、現実は上手くいかない」「現実ではどうなのですか」など様々なご意見が出てしまうかもしれません。このあたりに関しては、どのようなお声があったのでしょうか。
竹田氏:実施後の社内アンケートを確認したところ、ワークショップ全体の満足度が88%で、中でも1番満足した要素は「ワークショップ内容の実践への適応可能性や実用性」という結果が出ていました。
主体的な行動と対話の質の変化
ーー 組織開発のワークショップを繰り返しましたが、具体的にどのような実践や変化があったからお聞かせください。
竹田氏:参加者と話したところ、2回目3回目ぐらいから意識の変化が見られて「継続して長い目で取り組むものだよね」という発言が出るようになっていました。アンケートでも「意識が変わった」と自覚がある人が93%にのぼっています。更に「行動まで変わっている」と自覚がある人が76%でした。
古川氏:アンケートの自由記述欄にも「人の話を聞くことが増えた」「相手のモチベーションを強く意識するようにしている」「フィードバックをきちんとするようになった」と書いてありました。
竹田氏:特に「部下との単なる対話や議論だけでなく、認識のすり合わせを重点的にやるようになった」という内容が多かったように思えます。
古川氏:ただし、参加者の中でも温度差があるようにも感じています。積極的に動いている人と、様子見している人と分かれているようにも見えます。しかし、温度差はありながらも「少しずつ動いている」とも感じています。2022年に自社で行ったアプローチでは、どうしても「やらされ感」のようになり、「自分事に転換できない」のが、自社で行う課題だと感じていました。そのような経験もあり、今回のワークショップを見て「社内でここまでのことができたのだろうか…」と思うと同時に、やはり、これは専門の方にやって頂いたことで、納得感とか理解度を高められたことが成功要因なのではないかと思います。
川瀬氏:私も「部長の発言や行動が変わっていった」のが実感できて、非常に価値があったと思っています。
古川氏:このワークショップの期間を通じて、私も改めて組織開発やマネジメントに関する勉強させて頂きましたので、多くの発見・学びがありました。そういうところも含めて、とても良かったと思います。
実施後アンケートでも高評価
ーー 最後にワークショップを終えた参加者の皆さまの評価についてお聞かせください。
竹田氏:アンケートを見ると、満足度については88%が「満足」と答えています。その要素の中では「講師の力量」が一番多かったです。また「研修内容の適応可能性・実用性」もとても多かったです。参加者本人の主観ではありますが「どれぐらい具体的に活動できましたか」という質問にも86%がポジティブ回答しています。満足度と同じくらいです。また、意識が変わっているのが93%、行動まで変わったと主観的に思っているのは76%でいずれも高かったです。
ーー このたびのワークショップを通じて、それくらい積極的に取り組んで頂けた印象がありました。人事の方だけでなく、参加者の方にもご評価・ご満足頂けたようで何よりです。このような貴重なご意見を今後に活かして、我々も取り組んでいきたいと思います。今回は、貴重なお話お聞かせ頂き、誠にありがとうございました。