睡眠不足で…ミスが◯倍
24.11.7
睡眠不足で、どのくらい脳の働きが低下するのでしょうか?「7時間寝れれば大丈夫」と実しやかに信じられているのも、本当なのでしょうか?
実は、7時間ベッドにいる生活を送っても、9時間ベッドにいる人より脳の活動は低下することが分かっています。
とはいえ、毎日9時間ベッドにいる時間を確保するのは難しい人がほとんど。だからこそ、研究結果を紐解きながら、脳へのダメージが少なくなる睡眠のとり方をご紹介します。
9時間、7時間、5時間、3時間、とベッドにいる時間を変化させると脳はどうなるか、作業ミスの回数を検討した研究があります。
1週間、9時間ベッドにいたグループは、ミスの回数が1~2回程度だったのに対して、
- 7時間グループでは、3〜4回
- 5時間グループでは、6〜7回
- 3時間グループでは、16〜17回
程度にまで増える結果となりました。
例え7時間の睡眠時間を確保していたとしても、脳の働きが低下することがよく分かる結果です。
このような脳の働きの低下は、実験の初日から現れます。ただし、最初の低下度は微々たるもの。トリガーとなるのは3日目です。
3時間睡眠を2日続けた時のミスは5回程度で収まっていたものの、3日目になると10回と飛躍的に増えるのです。
「どうしても睡眠時間を確保できない」という日は、当然あると思います。そんな時はせめて、3日連続睡眠不足にならないように気をつけてみてください。
とは言っても、寝れるならもちろん、きちんと寝ることをオススメします。
なぜなら、その後寝ても、回復しない「慢性的な睡眠不足が続くと、その後たっぷりと睡眠をとっても中々回復しないことが分かっているからです。
上記の実験でも、7日間の実験終了後、8時間睡眠をとる回復日を3日間設けられていました。
回復日初日、3時間睡眠グループのミスは約8回と劇的に減少。しかし、その後さらに回復する傾向は見受けられず、3日経っても9時間睡眠を続けたグループには敵いませんでした。
それどころか、5時間睡眠、7時間睡眠のグループも回復せず、脳へのダメージが残る結果となったのです。
このことから分かることは、5〜7時間睡眠の”少し”の睡眠不足の場合、脳はその状態に適応する、ということです。
脳は自ら自身の出せるパフォーマンスを少し低下させ、その状態で通常営業できるように調整しています。
だからこそ、慢性的な睡眠不足にあっても、自分では気が付きにくいという特徴があるようです。
こうしたことが、週末に寝溜めをするよりも、規則正しい生活がオススメされている理由でもあります。
慢性的な睡眠不足は、週末に寝溜めをしただけでは解消されないのです。
どうしても、平日に睡眠時間を確保するのが難しい場合は、1日でも良いので早く寝る日を作るのはいかがでしょうか?
3日連続で睡眠不足になると如実に脳の反応が低下する。それならば、水曜日あたりに1日だけでも早く寝れると良いですよね。
最後にまとめです。睡眠不足と作業ミスの関連を検討した研究をご紹介しました。
- 睡眠不足3日目に脳の働きは急低下する。
- 7時間睡眠でも脳の働きは低下している。
- 脳の働きが低下した後に寝溜めをしても、中々回復しない。
こんな学びから
- 睡眠不足は3日連続にならないように気をつける。
- 寝溜めよりも、規則正しい生活を整える。
- 平日1日だけでも早く寝る日を作る。
という3つのご提案をさせて頂きました。
「へぇ〜〜」と思って頂けたら、ぜひ今日から、なるべく早くベッドへ向かうことを意識して頂けたらな、と思います。
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この記事を書いた人
リケジョママ
東京工業大学卒業後、製薬会社に入社。MRを経験したのち2018年にヨガインストラクター・フリーライターとして独立。「気になったらとことん調べる」リケジョ的な視点と、1才3才のママとしての視点から執筆を中心に活動中。「パフォーマンスは向上させるのではなく取り戻す」がモットー。