夜中に起きるのは…むしろ健康的?
24.11.20「夜中に起きてしまう」とお悩みの方はいらっしゃいませんか?
実は、それが人間の自然な睡眠パターンであることを、実験で示した人がいます。さらには、歴史学者もそれを支持する学説を出したとのこと。
「むしろ夜中に起きる方が、自然であり健康」
とまで言われる、夜中に起きてしまう悩みもグッと気楽になる驚きの学説を2つご紹介します。
|人間の生理的な睡眠パターンって?|
1990年代、アメリカの精神科医が「人は外的な影響を受けない状況だと、どんな睡眠パターンになるのか?」と実験をしました。
被検者は、毎日14時間、暗闇の部屋に入れられ、実際の時刻も分からない状況で生活します。このまま約4週間すると、このような睡眠パターンになっていったとのことです。
4時間寝る
↓
1〜2時間活動する
↓
4時間寝る
仕事やテレビ、スマホ、家族の活動など・・外部の影響がなければ、夜中に一度起きる睡眠パターンになる、と示されたのです。
|歴史学的にも、夜中に起きるのは自然|
さらに、それを支持する学説を2001年、アメリカの歴史学者が発表しました。
16年にわたる研究の末、17世紀後半までは日没後2時間くらいで1回目の睡眠をとり、その後覚醒して1〜2時間活動、そして再び睡眠をとる、というのが常識だった、と結論付けているのです。
当時の人は、中途覚醒した時間に、執筆や読書、祈りを捧げていたりしたそう。
中には、隣人を尋ねたり、妊娠したければ、この時間に行うよう医師が推奨していたり、有意義に過ごしていたようです。
|夜中に起きなくなってから・・|
興味深いのは「夜中に起きて再び寝れない」というパターンの不眠症の概念は、19世紀に出来たものだということ。
この時期になると、産業革命によって人々の生活が大きく変化、2回に分けて睡眠をとる習慣がなくなりました。
そしてむしろ「子どもに、分割した睡眠をとるのをやめさせるよう」医学雑誌で促していたとのこと。
このようにして、人々にまとまって睡眠をとる習慣を根付かせた結果、「夜中に起きてしまう」という新たな不眠症が生まれてしまったのです。
|夜中に目が覚めたら・・|
昨今、不安やストレス、うつ病などが増えているのは、睡眠を2回とる習慣がなくなったのにも起因する、とまで主張する研究者もいます。
夜中に一度起きて、今見た夢について瞑想したり、祈ったりする時間が心を癒してくれる大事な時間だった、ということです。
夜中に目覚めてしまうことを「ダメ」と捉える人も多いと思います。
しかし、夜中に目覚めることはむしろ自然であり、その時間を有効活用することでむしろ心身ともに健康になれる。
そんな風に捉え直すと、夜中に起きてしまう悩みもグッと楽になるのではないでしょうか。
この知識が、あなたのパフォーマンスを取り戻すきっかけになったら嬉しいです。
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この記事を書いた人
リケジョママ
東京工業大学卒業後、製薬会社に入社。MRを経験したのち2018年にヨガインストラクター・フリーライターとして独立。「気になったらとことん調べる」リケジョ的な視点と、1才3才のママとしての視点から執筆を中心に活動中。「パフォーマンスは向上させるのではなく取り戻す」がモットー。